失敗事例に学ぶ
賢い不動産投資経営戦略
全5章
ローリスクでロングリターンの不動産投資とは、よく言われますが、必ずしも、全てのオーナーが成功しているわけではありません。数百~数千万円の融資をうけて始める不動産投資であれば、必要以上に、事前の確認、リスクヘッジをすることが大切です。ここでは、過去に起きた失敗事例を参考までにご紹介いたします。不動産経営で皆様がハッピーになれることを願っております。
ローンの支払いが苦しくなってきた事例
周辺の家賃相場が下がったため家賃を下げた…。せっかく入った入居者がすぐに出ていってしまった…。長期間空室が続いた…。入居者募集のための広告費用なども結構かさんできた…。色々な苦労がありますが、それでも「将来的には資産になるから」という思いで、自分の給料から月々何万も持ち出しながら不動産経営を続けています。最近やっと、入居者もつきましたが、家賃収入だけではローンや管理費、固定資産税などを引くとまだマイナスになってしまいます。これまでの苦労が無駄だったとは思いたくないので不動産経営は続けたい気があるのですが、このままではローンを払い切れなくなるときが来るのではないかとの不安も大きいです。
不動産経営は、家賃収入から返済するのが基本で、働いて返済するようなものではありません。赤字を持ち出しながら不動産経営を続ける人もいますが、赤字額が大きくなれば、大きな失敗につながるケースもあります。また、現状入居者がいるにもかかわらず大幅な赤字になるような投資物件だと、将来的に状況が良くなる可能性は低いと考えてよいでしょう。収益を生まない赤字物件を持ち続けていると、いずれは資金繰りに行き詰まってきます。ローンの返済が本当にできなくなると競売を申し立てられ大きな損をすることが考えられます。任意売却であれば、競売よりも高く売却できる可能性が高く、売却後の残債についても、無理なく返済できるプランで金融機関と交渉することが可能です。
地震や災害への備えが足りていなかった事例
ローンを借りる際には火災保険の加入が必須となっていたので、災害への備えはこれである程度できていると思っていました。ところが火災保険で補償される範囲というのは限られていて、「何でも、地震が起きてそれが原因で発生した火災は、普通の火災保険では補償されないらしい」という話を知人から聞いて、不安になっています。
火災保険は各保険会社や保険料によってその補償内容が異なってきます。一度、現在ご加入されている火災保険の点検や見直しを行ってみるとよいと思います。例えば、アパートやマンションで起こり得る災難が、給排水設備の事故による水漏れ。これは火災以上に頻度が高いため、補償の対象となっているか事前に必ずチェックしておきましょう。また、お知り合いがおっしゃるように地震を原因とした火災については火災保険の補償対象外です。地震の際の火災もカバーするには「火災保険+地震保険」をセットで加入することが必要となります。地震保険の加入率というのは、年々高くなってきてはいますが、そんなに高いものではありません。しかし、地震保険は被災者の生活の安定を目的にした保険のため、国がその責任の一部を引き受けています。そのため支払いの確実性については一定の信頼がおけます。
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- 第4・5章
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