ここ最近のアベノミクスによる投資加熱で収益物件や土地価格が高騰しています。
しかし実際に値上がりしているのは人口が密集する都市部だけで、地方の土地価格は現状横ばいもしくはまだ下落傾向にあります。
今回はアパート経営の観点から、そうした『地方の盲点』に焦点をあててみました。
まずアパート経営の収益性を決める3要素を紹介します。
(実際には『メンテナンスコスト』や『出口』も入りますが今回は省略致します。)
立地と競合について
阿蘇市は熊本市、大分市、宮崎市など、どの地方都市からも遠く全国区のアパート建築業者さんの拠点がありません。
需要について
阿蘇市には、地方裁判所、農協支部、大型観光施設など一定の就労人口があり若い賃貸需要は常に存在します。 しかし、不動産業者は極端に少なく、賃貸物件と言えば、昔ながらの長屋や築40年以上の貸家等が多く、新築アパートはかなり少ない現状です。
そのような阿蘇市エリアは、熊本市内の管理業者さんも驚く『満室エリア』だそうです。
築10年以内のアパートはほぼ満室で、新築を建てても、建ててもすぐに満室になる状況となっています。(熊本市O管理会社談)
特に、行政機関や商業施設の集中する一ノ宮エリアは潜在需要が多く、満室物件に対しての問い合わせが常にあるそうです。(熊本市A管理会社談)
まだまだ賃貸物件が足りない阿蘇市は、地方の盲点となっています。
立地と競合について
こちらも、阿蘇に似た特徴を持ち、距離的に、福岡市、熊本市、北九州市、大分市のいずれからも遠い特徴を持ち、全国規模のアパート建築業者さんの拠点がありません。 一応D建託さんが、アパートをいくつか建築されていますが、D建託さんのアパートとは異なるコンセプトのアパートを建築すれば、建てても、建てても満室になるそうです。 (うきは市で賃貸アパートを複数所有しておられるオーナーさん談)
地価について
またうきは市は土地の値段がとても安いため新築アパートがいきなり10%以上で回るそうです。
(同じうきは市で賃貸アパートを複数所有しておられるオーナーさん談)
入居付けについて
また賃貸仲介をメインで行っている不動産会社が一社しかないため、入居付けはその業者さんが独占しているため、この業者さんに管理を委託すれば、あたりまえに満室になります。
『うきは市 賃貸』で検索したら、ほぼこの業者さんしか出て来ないので、すぐに解ります。
こちらは宮崎県のかなり田舎にありますが、大手企業の工場で働く、若い労働者需要があるため現在はいくら物件を建てても、供給が追いつかない状況だそうです。 しかし、これはあくまでも”現状”であって、大手企業の製造工場が撤退した場合は一瞬にして、高い入居率は崩壊します。
大手企業の製造工場に入居を頼ることは、実はとても危険です。 その顕著な例が、大分県杵築市~国東市エリアで起きた悲劇です。
元々大分県杵築市には、日本有数の規模を誇るキャノンの製造工場がありました。
そこでは千人規模の若い労働者が働き、単身向けアパートが数多く建築されました。
文字通り建てても、建てても満室になる『地方の盲点エリア』状態でした。
土地を購入してアパートを建築する投資家さんも何人かおられましたが、主には土地持ちの農家の地主さんが、JAから融資を受け、単身用アパートを複数棟建築するという建築ラッシュが続きました。
しかし業績不振から、キャノンが撤退すると、自体は一遍、入居率が2割を切る物件ばかりになってしまいました。
多くの物件は、任売や競売にかかり、融資先であるJA杵築は、JA大分と合併するという大変な事態に至りました。
今でも「楽待」や「健美家」などの不動産投資サイトで物件を閲覧すると、杵築市や国東市の築10年以下程度の一棟アパートが数百万円で販売されています。
ここまで価格を下げても買い手がなかなか付かない厳しい状況になるのが工場撤退のリスクです。地方に賃貸アパートを建築される際は、この点にお気をつけください。
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