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不動産投資ライブラリー編集長トーク!株式会社クラウドリアルティ鬼頭武嗣さん

5月8日~10日に、22年ぶりに誘致が成功した福岡ITSアジア大会が開催されました。先端技術を産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していくSociety 5.0の実現を目指す日本。サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を実現させるために国内で現在進行している政府、各省庁の一連の取組みが紹介され、福岡県知事も登壇し、盛況のうちに閉幕しました。

その熱さ冷めやらぬ翌11日と12日には、九州シェアリングサミットが開催されました。主催は、内閣官房シェアリングエコノミー伝道師でもある森戸 裕一氏が事務局長を務める「九州シェアリングエコノミー推進協会」。場所は、福岡市天神の官民協働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」。旧大名小学校跡地を活用したこの施設は、500校の廃校が予想される昨今、廃校サミットを主催されている石丸修平氏が事務局長を務める福岡地域戦略推進協議会(FDC)の拠点にもなっています。

行政からはシェアリングエコノミー(以下、シェアエコ)に積極的な福津市の松田美幸副市長が登壇、民間からはANAやIBMなどの企業が協賛、市民参画型のMICE新業態イベントとして学生主体の運営がされ、官民、世代、職種などの垣根を超えて、九州をシェアエコで盛り上げたいという想いのもと、各地から集結。11日のプレイベントには100名、12日の本イベントには300名にも及ぶ参加者が、函館、福島、東京、湘南、熱海、名古屋、関西とセブからも駆けつけ、熱いイベントになりました。

メイン会場では5つのセッションが行われ、シェアエコの先頭を走る登壇者の方々のトークははどれも大変興味深いものでしたが、今回は、その中から第3セッション“民泊×インバウンド×クラウドファンディング”に登壇された、鬼頭武嗣さん(株式会社クラウドリアルティ代表取締役)にインタビューしました。

シェアエコのフロントランナーである鬼頭さんの取り組み、想い、そして今後のヴィジョンとは?

坂本>> 株式会社クラウドリアルティは、不動産に特化したクラウドファンディングのプラットフォームとして2014年に創業されましたね。銀行を介さずに大きな不動産を普通の人が小口で買えるというのは不動産投資市場の大きなイノベーションでした。

誰でも簡単に不動産投資ができる時代

鬼頭>> それまで、お金を調達したい人と投資家をマッチングするタイプはありませんでした。あらゆる不動産を証券化し、エクイティクラウドファンディングを行っています。許認可には2年かかりましたが、競合他社は一社もいません。投資家からすれば、従来の不動産投資は仲介が入れば入るほど時間がかかり、中身が見えにくく、コストもかかります。うちは資金を調達したい人と投資家をダイレクトに繋げていくので、相手の顔が見えますし、投資の結果何が起きているのかがリアルタイムでわかるという良さがあります。

坂本>> 投資家にはどんな方が多いですか?

鬼頭>>30代~40代の方が多く、主婦の方もいます。投資金額は5万円刻みで10~15万円ぐらいから手軽にできます。特に女性が多かったのは、渋谷区上原でのシェア保育園のプロジェクトです。1億7千万円ほど集まりました。渋谷区はシェアエコに力を入れている自治体で、待機児童などの地域課題をシェアのコンセプトで解決することを狙っており、建物は年内に完成予定です。

物件の社会的・文化的価値に投資する投資家

坂本>> 不動産投資が社会問題の解決にも繋がりますね。

鬼頭>> そうですね。投資の結果や意義に共感されて投資していただく方も多いです。お金は何に使うかが大事だと思います。当然、しっかりと利益を出し循環させていく必要がありますが、お金は手段でしかないので、お金を使って社会や経済に還元していくことが重要だと考えています。

坂本>> 他にはどんな案件がありますか?

鬼頭>> 京都の古民家や町家の案件が多いです。価値があるのに十分に活用されていない物件の再生を目的に、その社会的・文化的価値に賛同した方たちが投資家となっていただいています。第1号案件は、オンラインで3週間で110名の方に投資していただき7200万円集まりました。

坂本>> 弊社の第1号案件も京都の二条城近くの物件でした。海外でairbnbが流行っているからやってみようと始めたら予約がどんどん入って「これはすごい」と思いました。案件はどのように選ぶのですか?

鬼頭>>資金を調達したい人が物件を持ってくるケースが多いです。運用中の物件を見て、「うちもこういうのがあるんだけど」とお話を持ってきていただくこともあり、ハブのようになってきていますね。

円滑な事業展開を左右するコミュニティ作り

坂本>> 地域の活性にも繋がりますね。一方で、2年前から京都はバブルで、ファンドや大手企業が参画していますが、投資商材として加熱しています。ゴミ・騒音でトラブルになり、民泊=悪と思っている住人も多く、やめてしまうケースもあります。

鬼頭>> 地域の方、まちづくり関係者、投資家、事業家を繋ぐ場として内覧会やコミュニティ・ミートアップを実施しています。投資家が各地から集まってくれます。お金を通してコミュニティが作られていきますが、京都は地域の方とうまくいかない場合もあります。コミュニティ形成がうまくいかないとそもそもの事業は回っていきませんし地域は活性していきません。そういった点もフォローしていきたいと思っています。

坂本>> 海外不動産物件への投資に関心がある日本人投資家も増えてきたように感じます。インターネットの発展とともにこれからは世界中の不動産を買えますね。

鬼頭>> 資金調達に困っている海外の方へ日本のお金を届けたいです。海外物件としては、エストニア案件の第1号がすでに償還しており実績を出しています。現在は第2号を運用中です。色々な国のプロダクトを出していきたいと考えています。各案件については、WEBサイトに掲載していますので、ご興味があったらご覧になってください。

坂本>> 最後に今後の展望を教えてください。

鬼頭>> 短期的には、国内は京都以外でも様々な地域で色々なテーマで、お金に困られている方々をサポートしていきたいです。福岡でもやりたいですね。中長期的には、海外を含めてグローバルに資金調達できる仕組みを作っていきたいと考えています。現在の投資家は国内に銀行口座がある日本居住者です。海外投資家へのアプローチは簡単ではありませんが、チャレンジしていきます。次の展開としては年内を目途にシンガポールにも拠点を作る予定です。

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鬼頭武嗣

東京大学及び同大学院では建築学を専攻し、在学中にインターンとしてArup Japanにて建築構造設計、ドイツ証券にて不動産証券化業務、Grove International Partnersにて不動産ファンド業務の実務を経験。大学院修了後、2007年4月よりBoston Consulting Groupにて企業の経営コンサルティングに係る案件に携わる。2010年6月からはMerrill Lynchにて、不動産セクター及び事業法人セクターのカバレッジを兼務し、企業及びREITの資金調達・M&Aアドバイザリー業務並びに不動産証券化案件等を多数実行。2014年11月のMerrill Lynch退職後は株式会社クラウドリアルティを設立し、代表取締役に就任。

株式会社クラウドリアルティ: https://www.crowd-realty.com